第23回 SSK定例会の報告|民生委員だけに任せない、地域の見守りについて考えました

2026年9月16日(水)、志免町民の生活支援を考える会(SSK)第23回定例会を開催しました。

今回のテーマは、「民生委員の現状と課題」です。

民生委員という言葉を聞いたことはあっても、

「普段、どのような活動をしているの?」
「困ったときに相談してもいいの?」
「地域住民とはどのようにつながっているの?」
と感じている方も多いのではないでしょうか。

今回の定例会では、民生委員の活動について知るだけではなく、民生委員だけに地域の見守りを任せるのではなく、住民や地域団体、専門職などがどのようにつながっていけるのかについて意見を交わしました。

民生委員とは?地域の身近な相談相手です

民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域で住民の立場に立って相談や支援を行う人です。また、すべての民生委員は児童委員も兼ねています。

地域住民の身近な相談相手として、暮らしの中で困りごとを抱えている方への相談や見守りなどを行っています。

また、必要に応じて行政や福祉の専門機関などにつなぐ、地域と支援を結ぶ役割も担っています。

「名前は聞いたことがあるけれど、どんな活動をしているのかよく分からない」という方もいるかもしれません。

今回のSSK定例会では、こうした民生委員の基本的な役割を踏まえながら、実際の地域ではどのような活動が行われ、どのような課題を抱えているのかについて話を伺いました。

民生委員を知ることが、地域の支え合いの第一歩です

地域の見守りをより良くするためには、まず住民が民生委員の存在や役割を知ることが大切です。

民生委員は、地域の中で住民に寄り添いながら、見守りや声かけなどを行う身近な存在です。

そして、必要な場合には、行政や専門機関などにつなぐ役割もあります。

ところが、住民側が民生委員のことをよく知らなければ、困ったときの相談にもつながりにくくなります。

「地域にこういう人がいる」
「何かあったら相談できる」

と知っていることは、地域で安心して暮らしていくうえでも大切です。

民生委員は「すべてを解決する人」ではありません

民生委員というと、「高齢者を訪問する人」というイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし、地域で暮らしている人の困りごとは、高齢者に関することだけではありません。

また、民生委員が地域の困りごとをすべて自分自身で解決するわけでもありません。

住民の相談に応じ、必要に応じて行政や専門機関などにつなぐことも大切な役割です。

だからこそ、民生委員だけに地域の課題を任せるのではなく、地域住民や地域団体、専門職などが、それぞれの立場から関わっていくことが重要です。

地域の困りごとは、外から見ただけでは分かりません

地域で暮らしていると、さまざまな人と顔を合わせます。

しかし、同じ地域に住んでいても、その人がどのような困りごとを抱えているのかまでは分からないことがあります。

一見すると普段と変わらないように見えても、生活の中で困っていることがあるかもしれません。

だからこそ、特別な支援だけではなく、普段からのつながりや小さな気づきが重要になります。

地域とのつながり方には違いがあります

同じ地域の中でも、近所付き合いが多い人もいれば、地域との接点が少ない人もいます。

また、地域活動に参加している人もいれば、仕事や家庭の事情などから参加する機会が少ない人もいます。

そのため、従来の地域活動だけですべての住民とつながることは難しくなっています。

民生委員についても同様です。

地域との関係性や活動の状況には違いがあるため、一つの方法だけで地域全体を見守るのではなく、さまざまな人や団体がつながることが重要です。

民生委員の高齢化や後継者不足も課題に

今回の定例会では、民生委員の活動について意見を交わす中で、民生委員の高齢化や後継者不足についても課題として挙げられました。

地域の見守りや相談支援を続けていくためには、現在活動している民生委員だけに負担が集中するのではなく、これから新たに担う人が参加しやすい環境をつくっていくことも重要です。

しかし、活動に対する負担が大きいというイメージがあれば、「自分には難しい」「仕事や家庭と両立できない」と感じ、引き受けることへのハードルが高くなることも考えられます。

そこで定例会では、これからの担い手が参加しやすくなるよう、活動のハードルを下げる仕組みづくりが必要ではないかという意見が出ました。

有償ボランティアという考え方

その対策案の一つとして、活動の一部を有償ボランティアとして担ってもらう仕組みについても意見が出ました。

すべてを無償で担うことを前提とするのではなく、活動内容によっては一定の対価を設けることで、これまで参加することが難しかった世代にも関わってもらいやすくなるのではないか、という考え方です。

もちろん、具体的な制度や運用方法については、今後さらに検討する必要があります。

今回の定例会では、こうした考え方も含めて、これからの地域の担い手をどのように確保していくのかについて意見が交わされました。

一人に負担がかかりすぎない仕組みをつくる

もう一つ大切なのが、民生委員一人ひとりに負担がかかりすぎない仕組みづくりです。

民生委員になった人が地域のさまざまな困りごとを一人で抱えるのではなく、地域住民や地域団体、専門職などと役割を分担し、必要なときに相談したり、支援につないだりできる仕組みがあれば、活動への負担感を軽減することにもつながります。

「民生委員になったら、地域のことを何でもしなければならない」という状態ではなく、できることを分担し、困ったときには周囲につなげられる仕組みをつくることで、新たに担う人にとってのハードルを下げていくことも必要ではないかという意見が出ました。

民生委員の高齢化や後継者不足を考えるとき、単に「次の人を探す」だけではなく、「引き受けやすく、続けやすい仕組みにしていく」ことも重要な視点です。

地域の見守りは、民生委員だけで担うものではありません

今回の定例会で大切にしたのは、民生委員の活動を知ることだけではありません。

民生委員と地域住民、地域団体、専門職などがどのように関わることができるのかという視点です。

地域には、さまざまな立場の人がいます。

それぞれが持っている情報や気づきは異なります。

だからこそ、一人ですべてを抱えるのではなく、それぞれの立場から地域を見守ることが大切です。

住民だからこそ気づける、小さな変化があります

地域住民に専門的な支援を求める必要はありません。

例えば、

「最近、あの人を見かけないな」
「いつもと少し様子が違うな」
「何か困っているのかな」

といった日常の中での小さな気づきがあります。

大切なのは、その場ですべてを解決しようとすることではありません。

必要であれば、民生委員や地域の関係者、専門機関などにつながることができます。

住民だからできることと、民生委員だからできること、専門職だからできることは違います。

それぞれが自分の役割を持ちながらつながることで、地域の見守りはより広がっていきます。

「顔の見える関係」が相談しやすさにつながります

困ったことが起きてから初めて誰かに相談するのは、意外と難しいものです。

特に、普段まったく関わりのない相手には、自分の生活上の困りごとを話しにくい場合があります。

だからこそ、問題が起きてから関係をつくるのではなく、普段から顔が分かる、あいさつができる、少し話ができる関係をつくっておくことが大切です。

これは、特別な福祉活動ではありません。

日常のあいさつや声かけなども、地域のつながりをつくる一歩になります。

民生委員と地域を「つなぐ」ことを考えていきます

民生委員の負担を減らすためだけに、地域住民が協力するわけではありません。

目指したいのは、誰か一人に地域の課題を背負わせない関係づくりです。

  • 民生委員には民生委員の役割があります。
  • 地域住民には、日常生活の中だからこそ気づけることがあります。
  • 地域団体には、人と人をつなぐ力があります。
  • 専門職には、専門的な支援につなげられる強みがあります。

それぞれが同じことをする必要はありません。

「誰が解決するか」ではなく「どうつながるか」

地域で困りごとを見つけたとき、

「これは誰の仕事なのか」

だけで考えてしまうと、支援の隙間が生まれることがあります。

それよりも、

「自分だけでは対応できないけれど、誰につなげればいいだろう」

と考えられる地域になることが大切です。

SSKも、地域の課題を一つの団体や専門職だけで解決するのではなく、住民・専門職・事業者などが対話しながら、支え合う地域づくりを進めています。

民生委員についてもっと知りたい方へ

民生委員・児童委員の役割や活動について詳しく知りたい方は、全国民生委員児童委員連合会の「民生委員・児童委員とは」のページもご覧ください。

民生委員・児童委員の基本的な役割や活動について紹介されています。

民生委員・児童委員とは|全国民生委員児童委員連合会

まとめ|民生委員だけに任せず、みんなで「気づける地域」へ

今回の第23回SSK定例会を通して改めて考えたのは、地域の見守りは、特定の誰かだけが担うものではないということです。

  • 民生委員の活動を知る。
  • 近所の人とあいさつをする。
  • いつもと違う様子に少し気を配る。
  • 困っている人がいれば、適切な人につなぐ。

こうした一つひとつの小さな関わりが、地域の見守りにつながります。

そして、民生委員、地域住民、地域団体、専門職など、それぞれの立場の人がつながることで、誰かが困ったときに「ひとりで抱えなくていい地域」に近づいていきます。

SSKではこれからも、専門職だけではなく地域住民の皆さんと一緒に、地域の課題について考え、対話する機会をつくっていきます。

住民同士が無理のない範囲で支え合い、必要なときには専門的な支援にもつながる。

そんな「コンパッションタウン志免」を目指して、地域のつながりを少しずつ広げていきます。

次回のSSK定例会について

次回のSSK定例会は、2026年10月21日(水)18:30〜20:00を予定しています。

次回のテーマは、「町内会の現状と課題」です。

私たちの暮らしに身近な町内会について、現在どのような状況にあり、地域の中でどのような課題があるのかを共有しながら、これからの地域のつながりについて考えます。

詳細については、別途ブログ記事でご案内いたします。