2026年5月20日(水)、第19回合同定例会を開催しました。
今回は、株式会社K5plus 代表取締役で、理学療法士でもある野尻圭悟さんをお迎えし、「空家問題解決と地域高齢者コミュニティーの構築について」をテーマにお話しいただきました。
今回のテーマは、少し難しく聞こえるかもしれません。
しかし、内容をひと言でいうと、使われていない家を、地域の高齢者や家族を支える場所として活用できないかというお話です。
空き家は、放置されると地域の困りごとになります。
しかし、手入れをして活用すれば、高齢者の居場所、家族の介護負担を軽くする場所、地域の人がつながる場所になる可能性があります。
今回の定例会では、空き家を「困った建物」として見るのではなく、地域に役立つ場所として見直すきっかけになりました。

地域には「使われていない家」と「支援を必要とする人」があります
結論からいうと、空き家問題と高齢者支援は、別々の問題ではありません。
地域には、誰も住まなくなった家があります。
一方で、住み慣れた地域で暮らし続けたい高齢者や、介護に疲れている家族もいます。
この2つをつなげて考えると、空き家は単なる「空いている家」ではなく、地域の支え合いに使える場所になる可能性があります。
空き家は、地域の居場所として活用できる可能性があります

空き家は「地域のために使える場所」になります
今回の定例会で大切なポイントは、空き家を地域の居場所として考えることです。
空き家と聞くと、管理が大変、防犯が心配、草木が伸びる、近所に迷惑がかかる、といったイメージがあります。
しかし、きちんと手入れをして活用できれば、高齢者が集まる場所や、地域の人が交流する場所として使える可能性があります。
地域には集まれる場所が必要だからです
高齢になると、外出の機会が減ったり、人と話す機会が少なくなったりします。
また、家族だけで高齢者を支えようとすると、介護する人に大きな負担がかかります。
そのため、家でも施設でもない、地域の中にある身近な居場所が必要です。
空き家を活用できれば、そうした居場所を地域の中につくることができます。
高齢者が安心して過ごせる場所にする
例えば、空き家を手入れして、高齢者が日中に集まれる場所にすることが考えられます。
- お茶を飲みながら話す
- 軽い体操をする
- 地域の人と顔を合わせる
- 困ったときに相談できる
こうした場所があるだけでも、高齢者の孤立を防ぐきっかけになります。
さらに、夜間に一時的に高齢者を受け入れる場所として使えれば、介護する家族の負担を軽くすることにもつながります。
空き家は、地域の支え合いを生み出す場所になります
空き家は、放置すれば地域の困りごとになります。
しかし、活用できれば、地域の支え合いを生み出す場所になります。
第19回合同定例会では、空き家を「問題」として終わらせず、地域に役立つ資源として考える視点が共有されました。
夜だけでも安心して過ごせる場所があると、家族の負担は軽くなります

介護する家族を支えることも大切です
高齢者支援というと、介護を受ける本人への支援を思い浮かべる人が多いと思います。
しかし、今回の定例会では、介護する家族をどう支えるかも大切なテーマになりました。
特に夜間の介護は、家族にとって大きな負担です。
- 夜中に何度も起きる
- トイレの付き添いをする
- 認知症によって夜間に外へ出てしまうことが心配で眠れない
こうした状態が続くと、家族の心と体が疲れてしまいます。
家族が疲れ切ると、在宅生活を続けにくくなるからです
高齢者本人が「できるだけ自宅で暮らしたい」と思っていても、家族の負担が大きすぎると、在宅での生活を続けることが難しくなります。
- 介護する人が眠れない
- 休めない
- 相談できない
このような状態が続くと、本人にとっても家族にとっても苦しい状況になります。
だからこそ、介護を受ける人だけでなく、介護する家族を支える仕組みが必要です。
夜間に安心して過ごせる仕組み
今回の話題提供では、空き家を活用し、夜間に高齢者が安心して過ごせる場をつくる「夜間支援」の考え方が紹介されました。
これは、夜の時間帯に高齢者が安心して過ごせるように、見守りや生活支援を行う仕組みです。
夜だけでも安心して過ごせる場所があれば、介護する家族は眠る時間を確保できます。
家族がしっかり休めると、日中に本人と向き合う余裕も生まれます。
家族を支えることは、高齢者本人を支えることにもつながります
介護する家族が安心できることは、高齢者本人の暮らしを守ることにもつながります。
- 家族だけで抱え込まない
- 地域の中に頼れる場所をつくる
その一つの可能性として、空き家を活用した夜間支援が考えられます。
高齢者の生活リズムを整えるには、人との関わりが大切です

高齢者支援には、生活全体を見る視点が必要です
高齢者の支援では、食事、睡眠、運動、人との会話など、毎日の生活を整えることが大切です。
特に認知症のある方の場合、昼夜逆転や夜間の不安、外出の減少などが家族の負担につながることがあります。
そのため、薬や介護サービスだけでなく、生活リズムを整える支援が必要です。
人との関わりが減ると、心身の元気も失われやすいからです
外に出る機会が減ると、人と話す時間も減ります。
人と話さなくなると、気持ちが沈んだり、生活のリズムが乱れたりすることがあります。
反対に、安心して行ける場所があり、顔なじみの人と話せる環境があれば、生活に張り合いが生まれます。
地域の中に小さな交流の場をつくる
空き家を活用して、高齢者が気軽に立ち寄れる場所をつくることができれば、日常の中に人との関わりが生まれます。
例えば、
- お茶を飲みながら話す
- 軽い運動をする
- 昔の思い出を語る
- 地域の人と顔見知りになる
こうした小さな交流が、見守りや安心につながります。
高齢者支援は、特別な施設だけでなく地域の中でもできます
高齢者支援は、専門施設だけで行うものではありません。
地域の中に安心できる場所があることも、大切な支援です。
空き家を活用した居場所づくりは、高齢者の生活リズムを整え、地域とのつながりを保つ方法の一つになります。
本人の希望を聞き、地域で支える仕組みが大切です
元気なうちから「これからの暮らし方」を話しておくことが大切です
今回の定例会では、高齢者がこれからも自分らしく暮らしていくために、本人の希望を家族や関係者で共有しておく大切さも話題になりました。
難しい言葉では「アドバンスケアプランニング(ACP)」と呼ばれます。
ACPとは、これからどこで暮らしたいか、どのような医療や介護を受けたいかを、本人・家族・支援者で話し合い、共有しておくことです。
一般の方には、「人生会議」と説明するとわかりやすいです。
本人の希望が分からないと、家族が迷ってしまうからです
急に体調が悪くなったとき、本人がどうしたいのか分からないと、家族は判断に迷います。
- どこで過ごしたいのか
- 延命治療を望むのか
- 誰に連絡してほしいのか
- 葬儀やお墓について希望があるのか
こうしたことを何も話していないと、家族が大きな不安や後悔を抱えることがあります。
ハッピーライフノートをきっかけに話し合う
本人の希望を整理する方法の一つとして、SSKでは「ハッピーライフノート」という考え方を大切にしています。
一般的には「エンディングノート」と呼ばれることもありますが、SSKでは、亡くなる準備のためだけではなく、これからの暮らし方を前向きに考えるためのノートとして「ハッピーライフノート」と表現しています。
ハッピーライフノートには、例えば次のようなことを書いておくことができます。
- 自分が大切にしていること
- これからも続けたい暮らし
- 体調が悪くなったときに希望すること
- 家族に伝えておきたいこと
- 家や持ち物についての考え
こうしたことを元気なうちから少しずつ書いておくことで、家族や支援者が本人の思いを理解しやすくなります。
また、ハッピーライフノートは一人で完成させるものではありません。
家族や身近な人と話し合いながら書くことで、本人の希望を共有するきっかけになります。
つまり、ハッピーライフノートは「終わりの準備」ではなく、これからも自分らしく暮らすための対話のきっかけになるものです。

本人の思いを共有することが、安心して暮らす土台になります
高齢者支援で大切なのは、本人の思いを置き去りにしないことです。
医療、介護、地域、家族がつながるためには、まず本人がどう暮らしたいのかを知る必要があります。
そのためにも、元気なうちから少しずつ話し合うことが大切です。
まとめ|第19回は、空き家を地域の支え合いに活かす可能性を考える回でした
第19回合同定例会では、空き家と高齢者支援をつなげて考える新しい視点が共有されました。
今回のポイントは、次の3つです。
1つ目は、空き家は放置すれば困りごとになりますが、活用すれば地域の居場所になる可能性があるということです。
2つ目は、介護を受ける本人だけでなく、介護する家族を支えることも大切だということです。
3つ目は、高齢者本人の希望を聞き、家族や地域で共有しておくことが安心につながるということです。
空き家、高齢者の孤立、介護する家族の疲れ、これからの暮らしへの不安。
これらは別々の問題に見えますが、すべて「住み慣れた地域で、安心して暮らし続けるにはどうすればよいか」というテーマにつながっています。
今回の定例会は、空き家を地域の支え合いに活かす可能性を考える、大切な機会となりました。
今後も志免町民の生活支援を考える会では、専門職だけでなく、地域住民、事業者、団体が一緒に考えながら、安心して暮らし続けられる地域づくりを進めていきます。











この記事では、次のような悩みを解決するヒントを紹介します。