2026年7月15日(水)、志免町民の生活支援を考える会(SSK)の第21回定例会を開催しました。
今回は、社会医療法人栄光会 栄光病院の清田直人氏を講師に迎え、「大切な人を亡くした悲しみに寄り添うために」をテーマに、グリーフケアについて学びました。
「グリーフ」とは、大切な人や大切なものを失ったときに感じる悲しみのことです。
定例会では、悲しんでいる人にどのような言葉をかければよいのか、地域の中でどのように支えられるのかを考えました。

「元気を出して」と言えばよいのでしょうか

身近な人を亡くした方に会ったとき、どのような言葉をかければよいか迷うことがあります。
元気づけようと思い、「頑張って」「早く元気になって」と声をかけることもあります。
しかし、その言葉が相手にとって負担になる場合があります。
悲しみの大きさや感じ方は、人によって違います。
無理に元気にさせようとするのではなく、その人の気持ちを受け止めることが大切です。
大切なのは、悲しんでいる人をひとりにしないことです
グリーフケアで大切なのは、悲しみをなくすことではありません。
悲しんでいる人のそばにいて、その人の気持ちや歩みに寄り添うことです。
何か特別なことをしなくても、話を聴くことや、気にかけることはできます。
言葉が見つからないときでも、そばにいることが支えになる場合があります。
グリーフは自然に起こる心と体の反応です

グリーフは病気ではありません
グリーフとは、大切な人や大切なものを失ったときに起こる、自然な心と体の反応です。
家族や友人との死別だけではありません。
健康、仕事、住み慣れた家、ペットなどを失ったときにも、グリーフを感じることがあります。
心や体に変化が表れることがあります
大切な人を亡くした後には、次のような変化が表れることがあります。
- 眠れなくなる
- 食欲がなくなる
- 疲れやすくなる
- 涙が止まらなくなる
- 人に会いたくなくなる
- 仕事や家事に集中できなくなる
これらは、大きな悲しみを経験したときに起こることがあります。
「自分がおかしくなった」と決めつける必要はありません。
悲しみ方は人によって違います
同じような経験をしても、悲しみの感じ方や表し方は人によって違います。
たくさん泣く人もいれば、人前では泣かない人もいます。
すぐに人と話したい人もいれば、しばらく一人で過ごしたい人もいます。
そのため、「普通はこうするものです」「もう元気になる時期です」と決めつけてはいけません。
悲しんでいる人にできること

相手の話を最後まで聴きます
相手が話したいときには、途中で話をさえぎらず、最後まで聴くことが大切です。
すぐに助言をしたり、自分の体験を話し始めたりするのではなく、まずは相手の話を受け止めます。
「そうだったのですね」
「つらかったですね」と、
気持ちに寄り添う言葉を返すこともできます。
無理に励ましません
「頑張って」
「元気を出して」
「早く前を向いて」
といった言葉は、相手を元気づけるつもりでも、負担になることがあります。
悲しんでいる人は、すでに十分頑張っているかもしれません。
「話したくなったら、いつでも聴きます」
「無理をしなくても大丈夫です」
と伝えるほうが、安心につながる場合があります。
悲しみに期限を決めません
大切な人を亡くしてから何年たっても、悲しくなることがあります。
命日、誕生日、季節の行事、思い出の場所などがきっかけになることもあります。
「まだ悲しんでいるのですか」と言うのではなく、「何年たっても思い出すことがありますよね」と受け止めることが大切です。
故人のことを忘れさせようとしません
グリーフケアは、亡くなった人を忘れさせることではありません。
「もう忘れたほうがよい」
「前を向かなければいけない」
と言われると、故人との大切な思い出まで否定されたように感じる人もいます。
相手が故人の思い出を話したいときには、その話を大切に聴きます。
何も言えなくても、そばにいます
どのような言葉をかければよいか分からないこともあります。
そのようなときは、無理に言葉を探す必要はありません。
「うまく言葉にできませんが、心配しています」と伝えることもできます。
訪ねることや、一緒に過ごすことだけでも、相手の支えになる場合があります。
必要なときは専門家につなぎます
悲しみが強く、生活に大きな影響が出ているときには、専門家への相談も大切です。
特に、亡くなってから半年以上たっても、次のような状態がほぼ一日中続いている場合は、医療機関や福祉・相談機関への相談を考える目安になります。
- 眠れない日が続いている
- 食事がほとんど取れない
- 日常生活を送ることが難しい
- 強い罪悪感や絶望感が続いている
- 「死にたい」と感じている
ただし、半年たっていなくても、本人や周囲の人が「つらそう」「一人では抱えきれない」と感じたときは、早めに相談してかまいません。
一人で抱え込まず、家族や友人、地域の支援者、医療・福祉・相談機関につなぐことが大切です。
特別なことをしなくても、地域で支えることはできます

今回の定例会を通して、グリーフケアは、専門家だけが行うものではないことを学びました。
悲しんでいる人の話を聴くこと、無理に励まさないこと、気にかけ続けることは、地域に暮らす私たちにもできます。
大切なのは、相手の悲しみをなくそうとすることではありません。
その人の気持ちを尊重し、ひとりにしないことです。
SSKでは、地域住民、専門職、事業者がつながりながら、困りごとや悲しみを抱えた人を地域で支えられるよう、これからも学び合いを続けていきます。











この記事では、次のような疑問についてお伝えします。